中国化粧品会社の状況と市場動向の変化|前編

参考:青眼記事

中国美容メディアの青眼は、中国化粧品上場会社の2022年度決算報告書を整理し、2020年から2022年までをTOP10形式でまとめました。3年間のランキングの変化を見ることで、中国化粧品会社の状況と市場動向の変化が示唆されます。

2022年度の比較
2022年度の比較
上位5社と大きな差

2022年度のランキングは、売上高71億600万元で上海家化が依然として中国化粧品会社のTOPであり、珀莱雅が売上高63億8,500万元で2位、华熙生物が63億5,900万元で3位となっています。
上位10社のうち、売上規模が50億元を超える会社は4社で、次いで50億元に近い水羊股份以降は20億〜40億元に位置しており、上位5社と大きな差になっています。

珀莱雅がもっとも成長

純利益の観点から見ると、2022年度の純利益の最高額をたたき出したのは贝泰妮で、その額は10億5,100万元でした。続いて、巨子生物が10億200万元と僅差に迫っています。
逆に、損失を計上した会社は逸仙电商のみでした。また、純利益が前年同期比で20%以上減少した会社は、上海家化や水羊股份、上美股份、丸美股份の4社でした。
もっとも成長した会社は珀莱雅で、成長率は41.88%でした。

TOP10の総売上額は前年比2%増

青眼の統計によると、2022年度の中国化粧品会社上位10社の営業利益は総額420億3,200万元で、前年度の上位10社の営業利益に比べて8億1,800万元増加し、前年比で2%増でした。
なお中国国家統計局のデータによると、2022年の中国化粧品小売売上高は3,936億元で、前年比4.5%減でした。
つまり、中国化粧品小売売上高が減少している中、中国化粧品会社上位10社は売上を伸ばしているため、中国以外の化粧品会社はかなり苦戦を強いられていると考えられます。

2020年から2022年までの変化
2020年から2022年までの
変化
ランキングに変動あり

青眼が過去3年間の中国化粧品会社トップ10のランキングを整理したところ、TOPの地位が揺るがない上海家化を除き、残りの会社のランキングが大きく変動し、中国化粧品会社の状況が変わってきていることがわかりました。

特に注目すべきは、华熙生物、珀莱雅、贝泰妮の3社が比較的急速に発展したことです。例えば华熙生物の場合、売上高は2020年の26億3300万元から2021年には49億4800万元、そして2022年には63億5900万元と大きく伸びています。ランキングでは、2020年の7位から2022年には3位まで上昇しています。
さらに贝泰妮は、3年間で26億3600万元から50億1400万元まで成長し、4位にランクインした华熙生物と同様に急成長しています。
また珀莱雅は、2021年に5位に転落したものの、2022年にはすぐに2位に浮上しました。

100億元が新たなマイルストーンに

华熙生物や珀莱雅がこのままの勢いで成長を続ければ、近い将来、上海家化に代わって中国化粧品会社のTOPが入れ替わる可能性があります。
上海家化や华熙生物、珀莱雅の事業計画では、トップ1争いに加えて、100億元も今後2年間の新しい目標にしており、そうなれば、中国化粧品会社の新たなマイルストーンとなることでしょう。

次回は、急成長した要因に焦点を当てた記事を配信予定です。

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